レーシングカートに使われるエンジンってどんな種類?

レーシングカートの動力源はガソリンエンジンです。

今回はレーシングカートがどのようなエンジンで走っているのかを紹介してみたいと思います。

2ストロークエンジン・4ストロークエンジン

まずエンジンを大きく分けると2ストロークエンジンと4ストロークエンジンになると思います。

カートではどちらも使用しているのですが、一般的にレーシングカート(専用のカートコースで走れるスプリントタイプ)と呼ばれているものでは2ストロークエンジンを使用しています。

排気量や始動方式、冷却方式など多少の仕様の違いはありますが、キッズカートから、大人向けの入門マシン、全日本選手権用マシンまでエンジン形式は2ストロークです。

4ストロークエンジンは車体や走れる場所は同じなのですが、レーシングカートよりもう少しホビーユースな”スポーツカート”と呼ばれているものに使用されています。

こちらは基本的に耐久レース仕様のマシンになります。

近年少しづつ人気が出てきているスポーツカートですが、主流は2ストロークエンジンを搭載したマシンになります。

2ストロークの代表エンジン[ヤマハKT100]

世間一般的では、ほぼ姿を消してしまった2ストロークエンジン。

しかし、軽量・コンパクト・ハイパワーな特性とシンプルな構造がレーシングカートとはベストマッチでカートの世界ではまだまだに主流です。

その代表格がヤマハ製KT100エンジンです。
レーシングカートを始めるときに真っ先にチョイスされるエンジンでしょう。
大会も全国統一のルールでどこに行っても楽しめます。

エンジン形式は2ストローク 100cc 空冷単気筒エンジン。

ギアチェンジは無く低速から高速まで1つのギアで走ります。(ギアチェンジが無い自転車と同じイメージです。)

そのためギアの選択はとても重要です。
エンジンのパワーを使い切れるようにスプロケットと呼ばれるギアを交換してサーキットに合わせたセッティングをします。

動力を伝えるのはチェーンです。
抵抗を抑えるためにギリギリ細いチェーンを使用します。

始動方式はダイレクトスタート(押し掛け)仕様のKT100SDとセルスタート仕様のKT100SECがあります。
SECはバッテリーを積むのですが走行中に充電はされないので、別に充電器で充電する必要があります。

パワー制限をかけてジュニアカテゴリーから大人まで幅広く使用することができます。

使われる燃料はガソリンスタンドで売っている普通のハイオクガソリンです。
レギュラーガソリンでも走りますが若干パワーが出ません。
ここはケチらずにハイオクガソリンを買いたいところです。
10リッターも買えば一日十分に遊べます。

オイルは2ストローク専用(バイク用でも大丈夫です)のレーシングスペックオイルを使用します。

入門向けといっても最高回転数15000RPMを誇るレーシングエンジン。
ホームセンターなどで売っているオイルでは壊れてしまうので注意が必要です。

ガソリンとオイルはあらかじめ混ぜてから使用します。
混合比はガソリン20~25:オイル1の割合です。
(これはKT100での混合比です。ほかのエンジンでは変わってきます。)

KT100エンジンではSLOが主催するSLカートミーティングという大会に参加できます。

SLカートミーティングは初心者からベテランまでが楽しめるレースです。
そして全国規模で展開されているので、どこへ行ってもレースに参加することが可能です。

昔から、日本のカート界を支えているなくてはならないエンジンですね。

その他のレーシングカート用2ストロークエンジン

最小サイズは4~5歳から始められるキッズカート用で40ccのスバル製汎用エンジン”ロビン”です。
ちょっと大きめの草刈り機にも使われているエンジンですね。

上級カテゴリーになると125ccの水冷式エンジンが使用されます。
この手のエンジンはよりハイパワーで強烈な加速力を生み出します。
カートに慣れたころに乗ってみるとまた面白いですよ!

上記2つともKT100と同じ単気筒でギアチェンジなしですが、モトクロスバイク用の85cc、125ccエンジンを搭載しギアチェンジをしながら走るミッションカートもあります。

まとめ

レーシングカートで使われるエンジンは2ストロークエンジン。

その代表が単気筒・空冷100ccのKT100です。

その他にもカートの種類に合わせて形式や排気量の違うエンジンが使われています。

ABOUTこの記事をかいた人

shogo okada

東京都在住。一児の父親。 高校生からレーシングカートを始めカート歴は20年になりました。 普段はカートショップやカートコースのスタッフとして、サーキットサポートやフレーム・エンジンメンテナンス、ジュニアカートスクールのコーチなどカート全般にかかわる活動をしています。 サーキットのサポートでは、"ドライバー目線を大事にする"をモットーに、その人に必要なアドバイスができるように心がけています!