こんにちは。
カートドライビングサポーターのオカダです。
レーシングカートのエンジンと言えばヤマハ製KT100S。
そのエンジンに付いてるキャブレター(空気とガソリンを混ぜる装置)がWalbro(ワルボロ)製キャブレターです。
今回はこのキャブレターをメンテナンスしてみます。
キャブレターとはガソリンと空気を混ぜる装置
カートで使用する燃料はガソリンです。
レーシングカートではガソリンスタンドで売っているハイオクガソリンを使用します。
買ってきたガソリンはもちろん液体です。
そして、ガソリンは液体のまま燃やすよりも、空気と混ぜて燃やした方が、より強力な爆発となります。
エンジンにとってはガソリンの爆発が強力な方が良いわけです。
液体のガソリンと空気を混ぜている装置がキャブレターということですね。
キャブレターの性能でエンジンのパワーが変わる
エンジン性能で重要な3大要素は、『良い燃料』『良い圧縮』『良い火花』と言われています。
『良い燃料』とは、ガソリンその物もそうですが、空気と混ざった状態の混合気のことも指します。
これが欠けてしまっては、他の性能が良くてもエンジンパワーが得られないということですね。
走行によるキャブレターの劣化が起きてしまうと、エンジン本来の性能が発揮されなくなってしまいます。
タイムアップやレースで良い結果を残すためには、気にしておきたいメンテナンスポイントです。
使用の目安としては、20時間前後(エンジンのオーバーホールと同時に)でのメンテナンスで激しい性能低下はないと思います。
レースに参加している人で10時間くらい、こだわる人はレース毎にメンテナンスするくらいなので、新品状態(オーバーホール後)が一番良い状態と言えます。
Walbroキャブレターのオーバーホール
メタリングチャンバー側(ガソリン貯蔵庫側)をバラします。
メタリングレバーとスプリング、ニードルバルブが見えます。
メタリングチャンバー側の部品。
メタリングダイヤフラムやガスケットはへたってくるとエンジンのレスポンスが悪くなります。
使い込んでいる物は交換します。
ニードルバルブ。
右が新品です。
左は側面と先端部分が擦れてしまっているのがわかります。
これくらいなら交換が必要です。
ニードルバルブはメタリングチャンバー側へのガソリン供給をコントロールしています。
その性能が落ちるとキャブレターの狙った性能が出せなかったり、ローニードル・ハイニードルのセッティングが合わせにくくなります。
次にポンプ側の分解です。
中にあるガソリンフィルターのゴミを取り除きます。
ポンプ側の部品。
ダイヤフラムポンプ(中央の黒いガスケット)がへたると燃料タンクからキャブレターへガソリンを送る能力が低下します。
メタリングレバーの高さをチェックします。
このレバー高さもキャブレターセッティングの一つです。
ゲージで1.0を標準としています。
この値でエンジンへ燃料が吸い出される量をコントロールします。
組み立て後、チェック圧を測ります。
コンマ05〜06で適正値としています。
ズレてる様なら調整です。
この値でもガソリンの吸い出し量を調整しています。
メタリングダイヤフラムとキャップを組み付けて完了です。
まとめ
キャブレターはエンジンパワーにとって重要な部品です。
性能が劣化する前にメンテナンスを行いたいですね。